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作曲家
(2024年03月04日)
調布国際音楽祭2024記者会見
左から森下唯、鈴木優人、鈴木雅明
毎回、様々なアーティストが繰り広げる「調布国際音楽祭」が今年も6月に開催される。指揮者・鍵盤楽器奏者などマルチな才能を発揮する鈴木優人がエグゼクティブ・プロデューサー、またユニークな活動で光る才人ピアニストで作曲家でもある森下唯がアソシエイト・プロデュサーを務め、毎回多彩なラインナップを組み新鮮な内容で注目を集めている音楽祭(調布は鈴木が生まれ育った街でもある)。2月29日(木)に今回の音楽祭の内容について記者会見が行われた。音楽祭監修の鈴木雅明、鈴木優人、森下唯が登壇し、概要を説明した。
会見の前には鈴木と森下が2台のピアノで、調布市を代表する漫画家水木しげるの「ゲゲゲの鬼太郎」にちなむ森下の“怪作”「ゲゲゲの鬼太郎」変奏曲(ハ短調で書かれバッハの「音楽の捧げもの」を思わせる)を披露した。
今回掲げられたテーマは「MUSIC WITHOUT BORDER」、ずばり“言葉やジャンルの垣根を超えての音楽”。主催者の挨拶に続き出席者たちが次の通り語った。
鈴木雅明「音楽祭は12年前に始まったわけですが、調布の駅も開発されその周辺にコンサートホールが集まっているのは滅多にない情況。その中で調布市の財団の方たちと連携できて進められてこられたのは素晴らしいことだと思っている。今年は音楽には国境がないことがテーマとなっている。音楽の力は私たちの生きる糧であることを確認できる音楽祭は素晴らしい機会となっていることを感じている。子どもや大人、そして様々なスタッフさんとのとの交流が次へのステップとなり重要」と述べた。
鈴木優人は「調布には毎年の花火が有名だが、音楽の花火を打ち上げるのがこの音楽祭。この音楽祭を通じて調布の街に訪れる人が増えてくれるのも嬉しいことで、音楽が仲立ちをなった多くの人を繋げていると感じている。音楽には差別はないものですが、今回 「MUSIC WITHOUT BORDER」というテーマを掲げたのは紛争や分断がありながらもせめて音楽で繋がっていようじゃないかというメッセージ。僕は「アンサンブル」というフランス語で「いっしょに」という言葉が大好きなんですけれど、こうしたことが小さな組織で平和を生んでいくのではないかと思います」と語り、
森下は「音楽祭には、音楽の力が社会にいかに生かすのか。また音楽の中身をいかに届けるかという側面の両方があると思いますが調布国際音楽祭ではそのバランスがとれていると思います。調布音楽祭の公演内容には実験的なものも含まれていて、ますます面白い内容になっています」とコメントした。
続いて今回の内容についての概要が発表された。主な内容は下記の通り。
「フェスティバル・オーケストラ 鈴木雅明の『幻想交響曲』」
[6/22(土)15:00 調布市グリーンホール(大)。
調布国際音楽祭フェスティバル・オーケストラを音楽祭の監修役でもある鈴木雅明がタクトを執ってのベルリオーズ「幻想交響曲」を聴かせるほか、日本屈指のヴィルティオーゾ阪田知樹を迎えてベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番など聴きごたえ十分の内容。オーケストラは公募によるメンバーで結成されるのは毎年恒例。マエストロがロマン派の異才ベルリオーズのスコアからどのような音楽を引き出すのか好奇心が大いにそそられる公演。
「鈴木優人×イザベル・ファウスト NHK交響楽団in Chofu 」
[6/23(日)14:00 調布グリーンホール(大)}
世界最高峰の一人、ドイツのイザベル・ファウストをソロにベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、鈴木優人の音楽性の広さが光るバッハ~ウェーベルン「6声のリチェルカータ」と若きシューベルトの傑作交響曲第5番をお届けする。ファウストと優人のコラボする醍醐味、まさに垣根を超える破格の内容だ。
「ワークショップ「新しい音楽をつくる」Vol.3」
[6/15(土)18:00 せんがわ劇場]
音楽祭期間中に開催されるこのワークショップも注目の企画。とにかく講師の顔ぶれが豪華で、金子仁美(作曲家)、細川俊夫(作曲家)、藤倉大(作曲家)と国際的に活躍するクリエイターたちがずらりと顔をそろえる。これにモデレーターとして鈴木優人も加わる。
ワークショップの演奏役は辺見康孝(ヴァイオリン)、大石将紀(サクソフォン)、鈴木慎崇(ピアノ)というコンテンポラリーを得意とする面々。一般応募の作品がその場でいかに変容し、進化を遂げるのか?これは現代音楽ファン、クラシックファンならずともぜひ体験したいみたいステージだ。
「名手たちが奏でるシューベルトの名曲「ます」」
[6/20(木)13:00 文化会館たづくりくすのきホール]
白井圭(ヴァイオリン)、岡本誠司(同)、成田寛(ヴィオラ)、山本轍(チェロ)、石川 滋(コントラバス)、上野星矢(フルート)、森下唯(ピアノ)という、日本の音楽シーンの一線で活躍するベテランと俊英たちが一堂に会してのアンサンブル。シューベルトの五重奏曲「ます」第4楽章のほかにベートーヴェン;弦楽四重奏曲第4番にモーツァルト:
フルート四重奏曲第1番も組み合わされ、各奏者たちの技能が楽しめるプログラムとなっている。
「村治佳織&村治奏一 ギターデュオリサイタル『夜明け』」
[6/20(木)19:00 文化会館たづくりくすのきホール映画『プライドと偏見』からの音楽「夜明け」とブラームス;弦楽六重奏曲第1番より第2楽章の有名な「主題と変奏」などの名旋律を、人気の村治佳織と弟奏一がギター2本で紡いでいく極上の時間。二人が調布に登場するのは初めて。
ほかにもプッチーニイヤー(没後100年)にふさわしい森麻季のソプラノ・リサイタル「ある晴れた日に」(6/21)や恒例となった深大寺本堂内でのコンサート、今年はバロック・チェロの上村文乃が出演し妙技を振るうなどビギナーからコアファンまで楽しめる企画がいっぱい。詳細は下記ウエブサイトをご覧さい。
調布国際音楽祭2024 特設サイト
調布国際音楽祭2024 (chofumusicfestival.com)